2023.10.12

唾液腺の仕組みと働きについて

唾液腺とは口腔内の周囲に存在し、唾液を分泌する組織です。 唾液腺は導管を持つ腺で、大唾液腺である耳下腺、顎下腺、舌下腺に分けられます。 耳下腺は漿液性(サラサラ)した唾液、顎下腺は漿液性(サラサラ)と粘液性(ねばねば)の混合した唾液、舌下腺には(ねばねば)の唾液が作られます。唾液には特徴があり脳とリンクもしており、寝ている時やリラックスしている時には副交感神経が働きサラサラの唾液が分泌量が増えます。その反対でイライラしている時、起こっている時にはねばねばの唾液分泌量が増えるのです。 大唾液腺のうちの耳下腺は口の前方の口腔前庭と頬粘膜に、顎下腺と舌下腺は舌の下である舌下小丘に導管の開口部があり、多量の唾液を出します。唾液は唾液腺で1日1~1.5ℓほど作られます。唾液腺は15歳前後で成熟し、それまでは量が増加します。 唾液の中には様々な物質が含まれます 物質の一部として、以下のようなものがあります。 ・アミラーゼ:デンプンを二糖類に分解します。 ・プロリン・スタテリン:歯面に付着してカルシウムバランスを調整し初期脱灰を軽減します。 ・ムチン:粘膜の潤滑と保護をします。また、細菌を凝集し、口腔内防御のための分子を運搬します。 ・抗体:口腔内の微生物に対する防御反応を示します。 ・リゾチーム:細菌細胞膜に含まれる、糖タンパク質の一種を加水分解します。 ・ラクトフェリン:細菌の増殖を阻害します。 これらが作用することで、食べ物の消化を助けたり、洗浄作用を働かせ常にお口の中を洗い流したり、口腔内を中和することでむし歯を防ぎます。 唾液とお口の中の関わりは意外と大事なものなのです。 唾液線マッサージ 1. 耳下腺 左右の耳の付け根にある耳下腺の上で親指以外の4本の指でぐるぐる回すように マッサージをします。 2. 顎下腺 顎下腺の上を親指で少し突き上げるように押します。 3. 舌下腺 舌の下側にある舌下腺をゆっくりと突き上げるように押します。   マッサージを行うことで口腔内の保湿や飲みやすくすることや発音を滑らかにする ことや唾液の分泌量が増えることによって虫歯予防にもなります。 皆さんも是非実践してみてください!

2023.09.11

歯のクリーニングで口臭は防げる?

歯のクリーニングは口臭の予防効果は見込めるのでしょうか。という疑問がありますが、答えは「YES」です。口臭の原因の多くは、口腔内に存在するにおい物質を発生させるけい嫌気性菌に由来しています。 歯のクリーニングは上記の通り「歯垢・歯石」に含まれる細菌がいなくなることでドライマウス(口腔内の乾燥)を予防することができるので、口臭を防ぐことが可能です。 ただし、口臭には胃腸などの内臓から起こっているものや心因性のものなど、様々な原因があります。口腔内の細菌が原因でない場合は口臭を軽減することができません。虫歯や歯周病などの細菌が原因の場合は、クリーニングだけではなく根本的な治療が必要となります。 口臭予防の習慣 清潔な口腔内環境を保ちましょう こちらは口臭と戦う上で最も重要なものですが、多くの人が見過ごしてしまうものでも あります。食後の歯磨き、マウスウォッシュの習慣を身につけましょう! たくさんお水を飲みましょう 食後に歯磨き、マウスウォッシュが行えない場合は、お水を飲みましょう。お水を飲むことで、口臭の原因となるドライマウスが防ぐと同時に、食べかすや口臭の原因菌などを洗い流します! 定期的な歯科院でのクリーニング 歯の表面に形成されている歯垢や歯石などはクリーニングで取り除けます。機械的歯面清掃を定期的に受けていれば、歯周病や虫歯にかかりにくくなることから、結果として口臭予防に繋がるのです。 口臭は、歯周病や虫歯ほど深刻なものではありませんが、とてもデリケートな問題なので一刻も早く改善したいという方が増えています。そんな口臭の改善などお悩みあれば、いつでもお気軽に当院までご相談ください。

2023.07.20

古くなった銀歯の内側には虫歯が出来ている!?

たとえ痛みがなくても、古い銀歯などはプラーク(食べかす)が付着しやすく、銀歯も長く使っていると形が歪み、隙間が出来てしまうことがあります。そこから虫歯が出来てしまい、更に歯を削り、また大きな銀歯を入れる…。 銀歯の劣化から起こる悪循環、とても怖いですよね。 もちろん毎食後の歯磨き、定期的なメンテナンス(クリーニング)によって、虫歯予防、早期発見につながります。小さい銀歯は5年、大きい銀歯は7年でやり直した方がいいと言われています。 劣化しにくい補綴物(つめもの)は?? 当院では、保険適応の銀歯のほかに、保険外の【オールセラミック】【ジルコニアセラミック】【ゴールド】の補綴物がございます。 【オールセラミック】【ジルコニアセラミック】の大きな特徴として、審美的に白く美しく、銀歯の黒ずんだ歯とはまったく違うものです。ツヤもあり自分の天然歯のように使うことが出来ます。 セラミックの1番素晴らしい特徴が、プラーク(食べかす)がセラミック歯にほとんど付着しないことです!すごくビックリな事実です!もちろん一生自分の歯だけて過ごせることが1番良いことだと思います。 1度虫歯になった箇所は、また虫歯になりやすいです。磨きにくい場所だったり、奥歯だったりと色々理由があります。その為、虫歯になりやすい箇所にプラークが付きやすい銀歯を入れるよりも、プラークがつきにくいセラミックを入れる事が虫歯の再発防止につながります。 自分の歯の寿命を長くするために必要な、より良い治療を選んでくださいね!

2023.07.18

歯肉の活性化作用がある歯磨剤

歯周病の予防をしましょう 歯みがきをしていたら血が出る、歯ぐきが腫れている、お口の中がネバネバしているなどの症状はありませんか? そのような症状があったら歯周病かもしれません。 歯周病は、お口の中の細菌が歯と歯茎の境目や歯の間に溜まり、細菌の毒素によって歯ぐきに炎症(出血や痛み、腫れなど)が起こり、やがて骨などの歯の周りの組織を破壊する怖い病気です。 歯周病の原因は歯の周りに溜まったプラーク(細菌の塊)なので、毎日の歯みがきでしっかりとプラークを除去することが大切です。特に歯と歯ぐきの境目にプラークは溜まりやすいので、ここをしっかり意識してブラッシングをしましょう。 歯ぐきが腫れていたり、出血がある方は、歯肉の活性化作用がある歯磨剤をお使いいただくのも効果的です。 当院ではリペリオという歯磨剤を取り扱っております。 リペリオには3つの効果があります。 歯肉を活性化してくれる 出血や腫れなどの炎症を抑えてくれる 歯肉の引き締め また、しっかりブラッシングをしたうえで最後にマウスウォッシュをお使いいただくのもおすすめです。 詳しいブラッシング方法やマウスウォッシュの使い方について何かご質問がございましたら、当院の歯科衛生士にいつでもお気軽にご相談ください。

2023.06.21 歯科治療

PMTCで快適なプロフェッショナルケアを目指そう!

PMTCとは? 専門機器を用いて歯を綺麗にすることで、歯の着色汚れを落とし歯面をつるつるにするので見た目が白くなり、汚れもつきにくくなります。 ホームケアでは清掃しきれないところをプロフェッショナルケアで健康な歯を守りぬきましょう。 どのようなペーストを選択するべきか? 粗研磨用のペーストを不適切に使用すると、歯面へのダメージが大きいばかりではなく、滑らかに整えるまでに相当な時間がかかります。 そこでおすすめなのは、一本で仕上げまで可能なPMTCペーストです。使用中に研磨粒子が細かくなっていくタイプは最後まで磨ききる事で仕上げ効果が期待できます。 コンクールクリーニングジェルについて ワンステップペーストタイプの中でも、特に人気なのが【コンクールクリーニングジェル】です。この製品は粒子が細かく粉砕されるタイプでなく、ジェルの粘着吸収効果でプラークやステインを除去するタイプです。さらに微粒子のサンゴパウダーが汚れのつきにくいツルツルの歯面を整えてくれるため仕上げ研磨が不要で着色汚れの再付着を防止します。 快適で効率的なクリーニングエアフローについて マイルドな味で刺激が少なくカルシウムベースの球体粒子。歯面へのダメージを抑え、スピーディーにバイオフィルムやステインを短時間で効率的に落とします。成分の94%が炭酸カルシウムなのでナトリウムフリーにより、塩分摂取制限のある患者さんにも使用できます。 皆さんもプロフェッショナルケアを受けて健康で丈夫な歯を守っていきましょう!

2023.05.25 歯科治療

当院のホームホワイトニングをご紹介

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングについて 当院ではお家で行うホームホワイトニングで使用される薬剤を2種類取り扱っています。 お家で行うホームホワイトニングは、自分の好きなタイミングで行えることや歯科医院に行かずにホワイトニングができることから検討されている方も多いのではないでしょうか。 オフィスホワイトニングと比べると、時間をかけてジワジワ白くなっていくので納得のいく白さにするには根気が少し必要です。 そのためイベントなどがあって近いうちに白くしたい方には歯科医院で行うオフィスホワイトニングがオススメです。 さらにホームホワイトニングを併用していただくとオフィスホワイトニングで一度白くした歯をキープさせておくことができるので是非試してみてください。 ホームホワイトニングをするにあたり 当院では、まずホワイトニングジェルを塗布していくトレー(マウスピース)の型取りからスタートです。 1週間程でマウスピースが完成します。受け取りに来ていただいた時に使い方の説明、マウスピースを着けた時の違和感がないか確認します。 受け取った後はご自宅でホワイトニングを始めましょう。 金額や薬剤の種類について 料金は薬剤によって変動いたします。 「ホワイトニングジェル (オパールエッセンス)10%」2本 19,800円 「ホワイトニングジェル (アンジェラス)16%」1本 20,900円 どちらもマウスピース代金を含めた料金です。 アンジェラスのホームホワイトニングジェルは新しく登場したホワイトニングジェルで、知覚過敏の症状を抑える歯磨き粉で有名なシュミテクトと同じ硝酸カリウムが含まれています。 ホームホワイトニングをご利用いただけない方 虫歯のある方や無カタラーゼ症の方、妊娠中や授乳中の方は使用できないので要注意です。 どちらもジェルのみの販売もしているので、矯正されていた方ですでにマウスピースをお持ちの方は簡単にホワイトニングを始められます。 自由が丘DWORKS歯科にお気軽にお問合せください。

2023.05.01 歯科治療

フロスの使用方法について

今回はフロスの使用方法についてお話いたします。ぜひ、使用される際の参考にしてみてください。 ①フロスを切る フロスを肘くらいの長さを目安(40cm程度)に切ります。中指と中指の間隔が10〜15cmになるようにし、中指(第一関節)に緩めに巻き付けます。 ②フロスを張る 両手の親指と人差し指の間隔が1〜1.5cmを目安にフロスの糸をピンと張るようにおさえます。歯の指先が触れるくらい短く持つと歯面に圧をかけやすくなります。 ③指の位置の調節 フロスを通すときは小指や薬指を頬や顎に置き固定をすると操作しやすくなります。 ④フロスを入れる 鏡を見てフロスの場所を確認しながら歯面に沿ってのこぎりの刃を引くようにゆっくり動かしながら歯と歯の接触している部分を通過するように少しずつ入れます。 ⑤フロスを動かして汚れを取る 歯と歯が接触している部分を通過したら歯に沿わせながら歯肉溝の中に入れます。歯肉を傷つけないようにゆっくりと。上下へと動かしながら歯の両側面を綺麗にしましょう。 ⑥フロスは綺麗なところを使用する 汚れたフロスはプラークがついており細菌の移動を防ぐ為1ヶ所終わるごとにフロスを拭き取り、綺麗なところを使用しましょう。

2023.03.20 歯科治療

フッ素配合歯磨き粉の推奨される利用方法

日本ではう蝕予防のためフッ素の応用が幅広く普及しており、中でもフッ素配合の歯磨き粉は多く使用されています。2023年の1月に日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本保存学会・日本老年歯科学会から「4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」が発表され、フッ素の使用推奨値に変更がありました。今回のコラムで変更前と変更後を比較していきます。年齢別に推奨値が異なるので、ご家族でフッ素を使用される際の参考にしてみてください。 フッ素濃度について フッ素の濃度は「ppm」という単位が使われます。生後6ヶ月から5歳の推奨値は、以前まで500ppmとなっておりましたが変更後は1000ppm。6歳以降では1500ppmの濃度が推奨されます。 歯磨剤(歯磨き粉)の使用量について 生後6ヶ月から2歳は変更前、切った爪程度とされていましたが変更後は米粒程度(1〜2mm程度)。6歳以降では歯ブラシ全体(1.5〜2cm)の使用量が推奨されます。 最後にフッ素配合歯磨き粉を使用する際の注意事項 就寝時を含めて1日2回のブラッシングを行う ブラッシング後は、口の中の歯磨き粉を軽く吐き出す(うがいが難しい年齢では、ティッシュ等で軽く拭き取る) チタン製の歯科治療(インプラント等)の既往歴があっても、歯がある場合はフッ素配合の歯磨き粉を使用する 歯磨き粉のフッ素濃度は、高ければ高いほど虫歯の予防効果が高いと言われていますが、飲み込みによる過剰摂取などのリスクを考慮し、年齢別に推奨値が異なります。 歯の形成期にあたる乳幼児や小児では、歯のフッ素症リスクとう蝕予防のメリットそれぞれのバランスを考慮し、メリットのほうが上回ると考えられる利用方法や量が推奨されています。お子様の年齢に合わせて手の届かない場所に保管したり、保護者の方が歯磨き粉を適切量出してあげてください。 低濃度で中性のフッ素はチタンインプラントへの腐食リスクがないとの記載もあり、インプラント治療を行った患者さんにもフッ素配合歯磨き粉の使用が推奨されています。フッ素を上手に使い、虫歯予防をしっかり行っていきましょう。

2022.10.17 歯科治療

定期検診の大切さ

当院では、歯石取りとPMTCという、歯科医師または歯科衛生士による、機械を使いバイオフィルムやプラーク(磨き残しで最近の塊)の除去を行なっています。少し難しく聞こえるかもしれませんが、機会を使いブラシをかけ、歯石を除去し、最後にツルツルに磨き上げています。さらにフロスをしたり必要があれば歯間ブラシやスーパーフロスも使用します。 最後きちんと磨き上げることで、プラークが付着しにくくなります。また、ブラシをかけるときや最後磨く時にフッ素入りのペーストを使っているため虫歯の予防にもなります。 これらを定期的に行うことで歯周病予防や虫歯予防に繋がります。 今クリーニングに通っている方は、どのくらいのペースで通院していますか? 一人一人の患者さんにより異なると思いますが、健康的なお口の方は2〜3ヶ月に1度のクリーニングがおすすめです。なぜこの間隔かというと、歯石や虫歯は3ヶ月程で付着したり進行して行きます。 歯石がついたままになると歯茎が腫れ出血し歯周病の原因になります。そのため、2〜3ヶ月の間隔で来院していただき虫歯のチェックや歯石取りをお勧めしています。さらに、ご自宅でのセルフケアもかなり重要です。 歯間ブラシやフロス、洗口液など使用しているものは様々だと思います。使い方の説明や不安なことがあれば説明しますので、お声がけください。 ”歯周病になる“と言ってもすぐに歯周病になるわけではありません。歯茎が腫れ、出血する症状から既に歯周病は進行しつつあります。この時点で検診に来ていただければ進行を止めることができます。しかし、歯が揺れる、噛むと痛いなどの症状が出てからでは、なかなか進行を止めることは難しいです。結果的に抜歯になるケースも珍しくありません。 少し気になり始めたら歯医者の受診をしましょう。 お子様の場合は歯周病よりも虫歯予防がとても重要です。 乳歯は永久歯に比べエナメル質(歯の表面の層、体の中で1番硬い組織)が薄いため、虫歯の進行が速いです。 “少し黒くなっているだけ”でも虫歯がかなり進行していることがあるので、大人よりやや早めの検診と高濃度フッ素塗布をお勧めしています。薬局に売っているフッ素入り歯磨剤もセルフケアとして有効ですが、歯科医院での高濃度フッ素塗布をすることで、濃度が高い分より虫歯予防に効果的です。 歯科専売のお掃除グッズもあるので是非ご覧ください。 当院はお子様と一緒に定期検診を受けることも可能です。