精密歯科治療

2022.07.20 精密歯科治療

インプラント治療について

自由ヶ丘DWORKS歯科・矯正歯科の石田充です。本日のコラムはインプラント治療についてお話いたします。 インプラント(人工歯根)治療は、欠損(歯のない部分)にチタン製の人工歯根を埋め込むことです。 インプラント治療は、1965年にブローネマルク博士によって最初のインプラント治療が行われてから現在まで、全世界で数千万人の患者が治療を受けています。ブローネマルク博士は、スウェーデンのルンド大学医学部で1952年、ウサギにチタン製の器具を取り付け循環の観察実験を行っていました。実験が終わり、その器具を外そうとした際、チタンと骨がくっついていたのだそうです。器具が外せなくなったことにより、チタンと骨の組織が拒否反応を起こさず結合する現象である”オッセオインテグレーション”を偶然発見したということです。ここで重要なのが、インプラントを生体(自分の体)が異物と認識しないことです。チタンは生体親和性が高く、長期的に安定しており、金属アレルギーの可能性が低い金属のため歯科の領域だけでなく、整形外科など医科の領域でも使われています。 では、そのインプラント治療のメリット、デメリットをご説明します。 【メリット】 1.天然歯と同じようによく噛める 2.隣の歯を削ったりする必要がない 3.基本的に取り外したりする必要がない 4.舌感やしゃべりにくいなどの不快感が少ない 【デメリット】 1.保険がきかないため、本数によっては高額になる 2.外科処置が必要となる(全身疾患等によりインプラント治療自体ができないこともある) 3.骨や歯茎の状態によっては、治療期間が長期になることがある 4.インプラント周囲炎(インプラントの周りに炎症が起きる)に罹患することがある   インプラント治療は、現在の歯科治療において欠損部位を補う治療法の一つとして過去の研究からもエビデンスの確立された治療法であることに間違いありません。しかし、インプラントも天然歯と同様に日々の患者さん自身の丁寧なブラッシング(セルフケア)と定期的に歯科医院での歯と歯茎、かみ合わせ等の状態のチェックと歯科衛生士によるクリーニング(プロフェッショナルケア)の両方がとても大切になります。 当院では、様々なケースに対応できるように先進医療機器を用い、適切な診査診断の元、インプラント治療を行っております。もう一つ大事なこととしては、どこのインプラントメーカーを使用しているかです。当院では世界で最も多く使用されているスイスのストローマン社製のインプラントを使用しています。ストローマン社はこれまで数多くの論文を発表しており世界で数百種類以上あるといわれるインプラントメーカーの中で、最も信頼性の高いメーカーであると当院は考えています。    

2022.07.14 精密歯科治療

銀歯の下に潜む虫歯とは?

自由ヶ丘DWORKS歯科・矯正歯科の石田充です。 皆様の中に、数年前に虫歯治療したのに、また虫歯ができてしまった経験はないでしょうか?数年前に虫歯を取って銀歯をいれたのに、銀歯の下がまた虫歯になることがあります。写真は銀歯を外した状態のマイクロスコープ画像ですが、銀歯を付けていたセメントの劣化と隙間からお口の中の虫歯菌が歯の内部に侵入することで銀歯の下に虫歯ができてしまっています。銀歯は保険治療で使われる材料で比較的安価に治療できたり、銀歯は固いので割れたりはほとんどしません。しかし、咬合力によって金属が変形し歯との境目に段差ができてしまったり、銀歯の中に含まれる金属アレルギーを発症する可能性など中長期的に考えると再治療になってしまうことがよくあります。銀歯の下が虫歯になることを繰り返していくと削る深さはどんどん深くなるため神経をとらないといけなくなってしまったり、銀歯の大きさも詰め物から被せ物になったりと健康な歯質が減っていくことになります。 歯の治療は、なるべく生涯の中でその歯を治療する回数を減らすこと(適切な材料できちんと治すこと)が、結局は歯の神経だったり、歯そのものを長持ちさせることにつながってくると考えております。”きちんと治すこと”を実現するためには、虫歯をマイクロスコープや拡大鏡を用いて拡大視野で徹底的に除去し、歯にとって最適且つ安全な材料で修復してあげることが重要になります。当院では、患者さんの口腔内の状態にとってベストな治療法、材料(詰め物の素材)を説明いたしますので、お気軽にご相談ください。 歯は、皮膚などと違って再生することはありません。ご自身の大切な歯を末永く快適に使っていただくためには、予防歯科も重要です。 定期的に歯科医院で虫歯のチェックと口腔内のクリーニングをし、お口全体のメンテナンスをしていくことは、治療と同じくらい大切です。虫歯や歯周病のリスク、歯ブラシの当て方、歯石の付き具合など患者さん個人個人で個人差があるため、当院では患者さん別に予防プログラムを組んでおります。末永く健康的なお口の環境が続くようにスタッフ一同これからも尽力していきます。

2022.07.06 精密歯科治療

歯根破折(根が割れる)とは?

  自由ヶ丘DWORKS歯科・矯正歯科の石田充です。 本日のコラムは、歯根破折(根っこが割れる)とどうなるの?ということについてお話いたします。歯茎が腫れた、歯がぐらぐらする、歯ぐきから膿が出る、咬むと痛い等の症状で来院される患者さんの中には、歯根が割れてしまっている場合があります。たいていの場合は失活歯(一度神経を取られている歯)の場合が多く、以前の虫歯が深く健全な歯質が少ないような場合はとくに注意が必要です。まれにですが、生活歯(神経のある歯)が外傷や、過度の咬合力で割れてしまうこともあります。 根っこの割れ方も、割れている程度も様々ですが、残念ながら縦に薪を割ったように割れてしまっている場合は、基本的に歯を残していくことが難しく抜歯せざるを得ないのが現状です。では、保存できなく抜歯になった場合、その後はどのような治療になっていくのでしょうか? 治療の選択肢としては 1.インプラント(人工歯根) 2.ブリッジ 3.入れ歯 4.歯牙移植(ドナーとなる歯が必要) が考えられます。   歯根破折をなるべく起こさないためには、 1.定期的な歯科医院での歯の状態チェック(虫歯だけでなく歯牙にヒビなどが入っていないか?、かみ合わせに問題がないか?など) 2.虫歯治療(なるべく神経を残す、虫歯を放置しないなど) 3.過度な咬合力のコントロール(ナイトガードの使用、咬合調整等) 4.予防歯科(定期健診で、虫歯を予防する) が大切になります。当院では、患者さんの口腔内が快適な状態が長く続くように、スタッフ一同サポートしていきますので、お気軽にご相談ください。  

2022.06.30 精密歯科治療

根管治療(根の治療)と補綴治療(かぶせもの治療)どっちが大事?

自由が丘DWORKS歯科・矯正歯科の石田充です。 今回のコラムは、根管治療(根の治療)と補綴治療(かぶせもの治療)どっちが大事なの?という内容についてお話ししたいと思います。結論から言うと、どちらも大事ということです。過去の論文にも報告されていますが、根管治療、補綴治療ともに良好な場合が歯を一番長期的に維持できると報告されています。 例えば歯がズキズキ痛む場合、根管治療をやった後、補綴治療に移っていきますが、ともに精度高くきちんと治療を完了することが重要です。痛みがなくなったので途中で来院が途切れてしまったり、かぶせもの自体が合っていなかったりすると、根管治療が適切に行われていてもその歯の予後に影響を及ぼしてしまうことがあります。 また、かぶせものが取れて来院された場合、痛みがなかったため根管治療が不十分な状態のままで、かぶせものの治療だけを行った後に、歯茎が腫れて根っこの先が膿んでくることがあります。 当院では、根管治療(根の治療)、補綴治療(かぶせもの治療)ともに大事だと考えておりますので、少々お時間はかかってしまうかもしれませんが、あらゆる可能性を考慮しながら、患者さんにできるだけ長くご自身の歯を使っていただけるように努めております。最近、根っこの先が疼くとか、噛んだ時にひびくことなどありましたら、お気軽に当院までご相談ください。また当院ではセカンドオピニオンも随時受け付けておりますので、現在他院で治療中の方で治療に不安があるなど、お困りの方はご連絡ください。

2022.06.29 精密歯科治療

歯科治療におけるマイクロスコープ活用の重要性

はじめまして、自由が丘DWORKS歯科・矯正歯科の石田充です。 皆様は、歯科用マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)をご存じでしょうか? マイクロスコープとは、裸眼ではとても小さな歯を拡大して診ることでより繊細な治療の手助けをしてくれる大変便利な医療機器です。当院では、通常の虫歯治療だけででなく、根管治療(根の治療)やインプラント治療など様々な治療でこのマイクロスコープを活用しています。当院ではライカ製のマイクロスコープを導入しております。このマイクロスコープを使用するメリットとして、拡大して治療ができるだけではなく、治療のステップを写真で取ることができるため、患者さんに治療の進み具合を写真を見ていただくことができます。患者さん自身が治療中に何をされているのか?疑問に思われることもあるかと思います。そんな時、術中の写真を撮影しておいて治療後のご説明に使用することで、患者さんの理解も深まると考えております。 当院では、"自分が患者ならこんな治療をしてほしいという治療" "歯医者に行くのが少しでも楽しくなる" ようにスタッフ一同研鑽を重ねてまいりますので今後ともどうぞよろしくお願いいたします。