歯科衛生士コラム

2023.05.01 歯科衛生士コラム

フロスの使用方法について

今回はフロスの使用方法についてお話いたします。ぜひ、使用される際の参考にしてみてください。 ①フロスを切る フロスを肘くらいの長さを目安(40cm程度)に切ります。中指と中指の間隔が10〜15cmになるようにし、中指(第一関節)に緩めに巻き付けます。 ②フロスを張る 両手の親指と人差し指の間隔が1〜1.5cmを目安にフロスの糸をピンと張るようにおさえます。歯の指先が触れるくらい短く持つと歯面に圧をかけやすくなります。 ③指の位置の調節 フロスを通すときは小指や薬指を頬や顎に置き固定をすると操作しやすくなります。 ④フロスを入れる 鏡を見てフロスの場所を確認しながら歯面に沿ってのこぎりの刃を引くようにゆっくり動かしながら歯と歯の接触している部分を通過するように少しずつ入れます。 ⑤フロスを動かして汚れを取る 歯と歯が接触している部分を通過したら歯に沿わせながら歯肉溝の中に入れます。歯肉を傷つけないようにゆっくりと。上下へと動かしながら歯の両側面を綺麗にしましょう。 ⑥フロスは綺麗なところを使用する 汚れたフロスはプラークがついており細菌の移動を防ぐ為1ヶ所終わるごとにフロスを拭き取り、綺麗なところを使用しましょう。

2023.03.20 歯科衛生士コラム

フッ素配合歯磨き粉の推奨される利用方法

日本ではう蝕予防のためフッ素の応用が幅広く普及しており、中でもフッ素配合の歯磨き粉は多く使用されています。2023年の1月に日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本保存学会・日本老年歯科学会から「4学会合同のフッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」が発表され、フッ素の使用推奨値に変更がありました。今回のコラムで変更前と変更後を比較していきます。年齢別に推奨値が異なるので、ご家族でフッ素を使用される際の参考にしてみてください。 フッ素濃度について フッ素の濃度は「ppm」という単位が使われます。生後6ヶ月から5歳の推奨値は、以前まで500ppmとなっておりましたが変更後は1000ppm。6歳以降では1500ppmの濃度が推奨されます。 歯磨剤(歯磨き粉)の使用量について 生後6ヶ月から2歳は変更前、切った爪程度とされていましたが変更後は米粒程度(1〜2mm程度)。6歳以降では歯ブラシ全体(1.5〜2cm)の使用量が推奨されます。 最後にフッ素配合歯磨き粉を使用する際の注意事項 就寝時を含めて1日2回のブラッシングを行う ブラッシング後は、口の中の歯磨き粉を軽く吐き出す(うがいが難しい年齢では、ティッシュ等で軽く拭き取る) チタン製の歯科治療(インプラント等)の既往歴があっても、歯がある場合はフッ素配合の歯磨き粉を使用する 歯磨き粉のフッ素濃度は、高ければ高いほど虫歯の予防効果が高いと言われていますが、飲み込みによる過剰摂取などのリスクを考慮し、年齢別に推奨値が異なります。 歯の形成期にあたる乳幼児や小児では、歯のフッ素症リスクとう蝕予防のメリットそれぞれのバランスを考慮し、メリットのほうが上回ると考えられる利用方法や量が推奨されています。お子様の年齢に合わせて手の届かない場所に保管したり、保護者の方が歯磨き粉を適切量出してあげてください。 低濃度で中性のフッ素はチタンインプラントへの腐食リスクがないとの記載もあり、インプラント治療を行った患者さんにもフッ素配合歯磨き粉の使用が推奨されています。フッ素を上手に使い、虫歯予防をしっかり行っていきましょう。

2022.10.17 歯科衛生士コラム

定期検診の大切さ

当院では、歯石取りとPMTCという、歯科医師または歯科衛生士による、機械を使いバイオフィルムやプラーク(磨き残しで最近の塊)の除去を行なっています。少し難しく聞こえるかもしれませんが、機会を使いブラシをかけ、歯石を除去し、最後にツルツルに磨き上げています。さらにフロスをしたり必要があれば歯間ブラシやスーパーフロスも使用します。 最後きちんと磨き上げることで、プラークが付着しにくくなります。また、ブラシをかけるときや最後磨く時にフッ素入りのペーストを使っているため虫歯の予防にもなります。 これらを定期的に行うことで歯周病予防や虫歯予防に繋がります。 今クリーニングに通っている方は、どのくらいのペースで通院していますか? 一人一人の患者さんにより異なると思いますが、健康的なお口の方は2〜3ヶ月に1度のクリーニングがおすすめです。なぜこの間隔かというと、歯石や虫歯は3ヶ月程で付着したり進行して行きます。 歯石がついたままになると歯茎が腫れ出血し歯周病の原因になります。そのため、2〜3ヶ月の間隔で来院していただき虫歯のチェックや歯石取りをお勧めしています。さらに、ご自宅でのセルフケアもかなり重要です。 歯間ブラシやフロス、洗口液など使用しているものは様々だと思います。使い方の説明や不安なことがあれば説明しますので、お声がけください。 ”歯周病になる“と言ってもすぐに歯周病になるわけではありません。歯茎が腫れ、出血する症状から既に歯周病は進行しつつあります。この時点で検診に来ていただければ進行を止めることができます。しかし、歯が揺れる、噛むと痛いなどの症状が出てからでは、なかなか進行を止めることは難しいです。結果的に抜歯になるケースも珍しくありません。 少し気になり始めたら歯医者の受診をしましょう。 お子様の場合は歯周病よりも虫歯予防がとても重要です。 乳歯は永久歯に比べエナメル質(歯の表面の層、体の中で1番硬い組織)が薄いため、虫歯の進行が速いです。 “少し黒くなっているだけ”でも虫歯がかなり進行していることがあるので、大人よりやや早めの検診と高濃度フッ素塗布をお勧めしています。薬局に売っているフッ素入り歯磨剤もセルフケアとして有効ですが、歯科医院での高濃度フッ素塗布をすることで、濃度が高い分より虫歯予防に効果的です。 歯科専売のお掃除グッズもあるので是非ご覧ください。 当院はお子様と一緒に定期検診を受けることも可能です。